A-26
タイトル(日本語) 手術不能な悪性消化管閉塞に伴う消化器症状におけるOctreotideとhyoscine butylbromideとの比較
タイトル(英 語) Comparison of Octretide and hyoscine butylbromide in controlling gastrointestinal symptoms due to malignant inoperable bowel obstruction.
著者名 Mercadante S, Ripamonti C, Casuccino A, et al
雑誌名,巻:頁 Support Care Cancer. 2000; 8:188-191
目 的 手術不能消化管閉塞の状態において、Octreotideとhyoscine butylbromideのいずれが症状緩和に有効かを比較する。
研究デザイン 非盲検化ランダム化比較試験(輸液に関してはコホート研究)
エビデンスレベル II(輸液に関してはIV)
研究施設 Pain Relief and Palliative Care, SAMOT, Italy
対象患者

例数:18例(各群9例;hyoscine butylbromide群の3名が評価前に死亡)
年齢:67(53-81)歳
原疾患:卵巣33%、直腸20%、胃13%、その他(小腸、肝臓、膵臓、乳腺、外陰部)33%
全身状態:PS:3;13%、4;87%;生命予後:1週間以下;27%、1ヶ月以下;40%、不明;27%
病態:手術不能な消化管閉塞
治療環境:在宅、外科・腫瘍病棟からコンサルトを受ける緩和ケアチーム

介 入

Octreotide 0.3mg/日持続皮下注、hyoscine butylbromide 60mg/日持続皮下注
経鼻胃管は使用せず。
輸液治療:<500mL;53%、500-1,000mL;20%、>1000mL;27%

主要評価項目(定義)・
統計学的手法

医師が、治療開始前、開始24時間後、48時間後、72時間後に嘔吐回数、Likert sale(0-3:悪心、口渇、眠気、腹部せん痛、持続痛)を測定。

Wilcoxon signed-ranks test, Mann-Whitney U test, Chi-square test
結 果

48時間後の嘔吐回数がOctreotideではhyoscine butylbromide群より有意に減少した(5.5±0.9回から0.4±0.2回 vs 5.3± 0.9回から2.8±0.7回, P<0.01)。

48時間後の嘔気がOctreotideではhyoscine butylbromide群より有意に減少した(1.5±0.4回から0.4±0.2回 vs 2.0±0.5回から1.7±0.4回, P<0.05)。

48時間後の持続痛がOctreotideではhyoscine butylbromide群より有意に減少した(0.6±0.2回から0.3±0.2回 vs 1.8±0.3回から1.2±0.2回, P<0.01)。

口渇、眠気、腹部せん痛については、群間で有意差を認めなかった。

1,000mL以下に比して、1,000mL以上の輸液を受けた患者の方が嘔気が少なかった(データなし)。
結 論 切除不能な消化管閉塞に起因する腹部症状のコントロールに関しては、Octreotideはhyoscine butylbromideより有効である。
コメント Octreotideの消化管閉塞に対する症状緩和効果を示したはじめてのランダム化比較試験。輸液の役割については予備的な知見である。
作成者 中島信久