A-24
タイトル(日本語) 終末期がん患者の脱水に対する皮下輸液療法
タイトル(英 語) Hypodermoclysis for control of dehydration in terminal-stage cancer.
著者名 Cerchietti L, Navigante A, Sauri A, et al
雑誌名,巻:頁 Int J Palliat Nurs. 2000; 6: 370-374
目 的 終末期がん患者ののどの渇き、嘔気、せん妄に対する皮下輸液療法の有用性を検討する。
研究デザイン 無作為化比較試験
エビデンスレベル II
治療環境・施設名 Unit of Palliative Care, University of Buenos Aires, Argentina
対象患者

例数:42例 年齢:輸液群56±7.5歳、非輸液群52±4.5歳
原疾患:乳29%、大腸21%、肺14%、婦人科12%、膵10%名、その他14%。
全身状態:生命予後:平均4日。
病態:のどの渇き、嘔気、せん妄のいずれかの症状があり、水分摂取が十分できない(50mL/日以下)
治療環境:入院。

介 入 輸液群はNaCl140mEq/L/日を含むブドウ糖液1000mLを42mL/hで翼状針で持続皮下投与した。両群とも、せん妄にHaloperidol 2.5mg、嘔気にmetoclopramide10mg4時間毎、のどの渇きに30-60分毎口腔ケアを行った。
主要評価項目(定義)・
統計学的手法

患者がのどの渇き、嘔気のVAS、および、MMSEを入院時、24時間後、48時間後につけた。
Wilcoxon検定で評価した。

結 果

のどの渇きは、輸液群(n=16)、非輸液群(n=18)とも24時間後に改善し、群間差はなかった。

嘔気は、輸液群(n=12)、非輸液群(n=16)とも24時間後に改善し、48時間後に輸液群において有意に改善した。
せん妄は、輸液群(n=7)、非輸液群(n=8)とも改善しなかった。
結 論 1000mL/日の皮下輸液療法は、48時間後の嘔気のみ有意な効果の差を認め、のどの渇き、せん妄に対する治療効果は確認できなかった。
コメント 輸液が、がん終末期の過活動型せん妄の発生を減少させるとのhistorical control studyで報告された先行研究の追試として前向きに行われた研究である。今回の結果では、輸液治療のせん妄に対する効果は明らかではなく、がん終末期の輸液療法の評価はまだ一定の結論に至っていないことを示している。
作成者 小原弘之