A-14
タイトル(日本語) 脱水と臨死の患者
タイトル(英 語) Dehydration and the dying patient.
著者名 Ellershaw JE, Sutcliffe JM, Saunders CM
雑誌名,巻:頁 J Pain Symptom Manage 1995; 10: 192-197
目 的 終末期がん患者の気道分泌・口渇と、脱水の関連を探索する。
研究デザイン コホート研究
エビデンスレベル IV
治療環境・施設名 Palliative Care Unit, Edmonton General Hospital, Canada
対象患者

例数:82例 年齢:73(43-89)歳 性別:記載なし
原疾患:肺がん23%、その他の原発の記載なし。肺転移9%
全身状態:生命予後:1-5日(平均1.9、中央値2)
病態:臨死期で水分摂取が数口できるか、もしくは経口投与が不可能な状態。
治療環境:入院

介 入 人工的水分補給なし。
主要評価項目(定義)・
統計学的手法
医師が気道分泌(下咽頭もしくは気管支で分泌物が移動した時の音がベッド横で聴取されること)の有無、のどの渇き(のどが渇きますか)の有無、口渇(口が渇きますか)の有無、血液検査所見を記録した。血清浸透圧274-295mOsm/kg,Na133-148mmol/L,Cr<1.47mg/dL,BUN<72.1mg/dLを血液学的に脱水なしと定義した。血液学的脱水の有無で2群に分けて症状頻度を比較、症状の有無で2群に分けて血液所見を比較した。
結 果

初回評価、経過中に気道分泌は56%、92%に観察された。口渇は87%に、のどの渇きは83%に認められた。血液学的脱水に該当した患者は26%であった。
気道分泌の有無の2群間には、浸透圧(292 vs 299 mOsm/kg, P=0.134), BUN

(12.3 vs 11.7 mmol/L, P=0.581)、アルブミン、総蛋白に有意差はなかった。

血液学的脱水の有無の2群間で気道分泌の頻度は、初回評価時56% vs 57%,(P=0.911)、経過中89% vs 100%(P=0.104)で有意差を認めなかった。
血液学的脱水の有無の2群間で口渇、のどの渇きの頻度は、初期評価時、それぞれ93% vs 71%、 68% vs 86%で有意差を認めなかった。
結 論 血液学的脱水と気道分泌、口渇、のどの渇きには有意な関連はなかった。
コメント 人工的水分補給を受けていない臨死期のがん患者における血液学的脱水と、気道分泌・口渇、のどの渇きには有意な関連がないことを示した論文である。
作成者 小原弘之