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タイトル(日本語) 終末期がん患者に対する輸液が死前喘鳴と口渇に及ぼす影響
タイトル(英 語) The effect of hydration on death rattle and sensation of thirst in terminally-ill cancer patients.
著者名 森田達也、角田純一、井上聡、他
雑誌名,巻:頁 ターミナルケア. 1998; 8: 227-232
目 的

終末期がん患者の死前喘鳴・口渇と輸液量との関連を探索する。

研究デザイン 横断研究
エビデンスレベル IV
治療環境・施設名 緩和ケア病棟、聖隷三方原病院、日本
対象患者

例数:171例 年齢:ホスピス群66±15、一般病棟群70±12歳
原疾患:ホスピス群:胃22%、肺20%、大腸・直腸16%、胆道系9%、
原疾患:一般病棟群:肺20%、胃17%、膵11%、大腸・直腸9%、肝9%。
全身状態:平均在院日数:ホスピス群52±64日、一般病棟群49±51日。

介 入 なし。
主要評価項目(定義)・
統計学的手法

医師が、死前喘鳴(気道分泌物の動きによって生じる可聴性呼吸)の有無、口渇(口または喉の渇いた感覚)の程度(3段階)を評価して記録した。さらに胸水、腹水、浮腫の重症度を3段階に評価した。
症状頻度・輸液量をホスピスと一般病棟間でMann-Whitney検定で比較した。

結 果

輸液量はホスピス群;死亡2週前399±634mL、死亡当日241±378mL、一般病棟群;死亡2週前1112±828mL、死亡当日1458±664mLで、一般病棟群が有意に多かった。

一般病棟群ではホスピス群に比較して死前喘鳴の頻度が有意に高かった。(40% vs 72%, P<0.01)。ホスピス群内においては、死前喘鳴・口渇の有無による輸液量の有意差はなかった。

結 論 輸液量が比較的多い(1,000-1,500mL)場合には、死前喘鳴と輸液量は関係するかもしれない。輸液量が少ない(例えば<500mL/日)場合には、死前喘鳴・口渇と、輸液量は相関しない。
コメント 今回の結果は、ホスピス・緩和ケア病棟内において、輸液量と、死前喘鳴や口渇に有意な相関がないとする先行研究と一致していた。
作成者 小原弘之