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タイトル(日本語) 終末期癌患者における手術不能消化管閉塞の管理
タイトル(英 語) The management of inoperable gastrointestinal obstruction in terminal cancer patients.
著者名 Ventafridda V, Ripamonti C, Caraceni A, et al
雑誌名,巻:頁 Tumori. 1990; 76: 389-393
目 的

手術不能な消化管閉塞を伴う終末期消化器癌患者における嘔吐や疼痛に対する薬物治療の効果を評価する。

研究デザイン 前後比較研究
エビデンスレベル III
研究施設 Division of Pain Therapy and Palliative Care, National Cancer Institute, Italy
対象患者

例数:22例 年齢:57.9±10.6歳
原疾患:大腸32%、子宮 23%、卵巣 18%、他 27%
全身状態:生存期間:平均13±12日(2−50)
病態:手術不能の消化管閉塞
治療環境:緩和ケア専門サービス

介 入

Morphine 0.5mg/kg, scoporamine butylbromide 1mg/kg, haloperidol 0.05mg/kg 持続皮下注・静注

口腔ケアで緩和されない口渇を訴えた場合、輸液

薬物治療で嘔気・嘔吐が緩和されない場合、経鼻胃管
主要評価項目(定義)・
統計学的手法

疼痛(verbal rating scale: 1, 2.5, 5, 7.5, 10)、嘔吐回数、口渇・眠気・のどの乾き(Likert scale: 0-4)

患者(看護師による聞き取り)が1週間ごとに記録

Student's t test、chi-square test
結 果

疼痛は2日後に有意に改善した。(4.3±2.1→0.9±0.3, P<0.001)

嘔吐回数は、10名で4回以上、2名で3回、3名で2回であったが、治療2日後に、4回以上は3名、1回が4名でほかの患者はなしであった。嘔吐が制御されなかった患者は上部消化管閉塞(胃、膵臓、肝臓)であり、経鼻胃管を用いた。

口渇は経過とともに有意に増強したが、水分、氷片投与で良好にコントロールされた。(データなし)

眠気は有意に増強した。(データなし)
のどの渇きは16名が訴え、口腔ケアで緩和されなかった1名で輸液を行った。
結 論

手術不能な消化管閉塞を伴う終末期癌患者において、閉塞部位が上部消化管の場合を除けば、疼痛や嘔吐に対して薬物療法によるコントロールは可能であり、胃管留置や輸液は不要である。

コメント 手術不能消化管閉塞に対して、薬物療法による良好な治療成績が示されている。輸液に関しては予備的な知見。
作成者 中島信久