A'-13
タイトル(日本語)

非治癒進行がん患者は、在宅中心静脈栄養法を行うことにより退院を薦めるべきか?
−単一施設20年間の経験から−

タイトル(英 語) Should patients with advanced, incurable cancers ever be sent home with total parenteral nutrition? A single institution’s 20-year experience.
著者名 Hoda D, Jatoi A, Burnes J, et al
雑誌名,巻:頁 Cancer. 2005; 103: 863-868
目 的

在宅中心静脈栄養法が転移性がん患者において長期生存(1年以上)に影響するかどうか、また施行が有用と判断される予測因子を同定する。

研究デザイン Case series
エビデンスレベル V
治療環境・施設名 Mayo Clinic, USA
対象患者

例数:52例 年齢(中央値): 56歳(18-83歳) 性別:男性42%・女性58%
原疾患:カルチノイド/islet cell tumor:19%、卵巣:12%、アミロイドーシス/多発性骨髄腫:12%、大腸:10%、肉腫:10%、膵:8%、胃:6%、リンパ腫:4%、腹膜偽粘液腫:4%、他:17%
全身状態:1年以上の生存期間のあると考えられる患者
病態:消化管閉塞:38%、短腸症候群/栄養吸収不全:31%、ろう孔:21%、消化管運動障害:6%、嘔気/嘔吐:4%、食欲不振:4%、口内炎:2%

介 入 在宅中心静脈栄養法(詳しい内容は記載なし)
主要評価項目(定義)・
統計学的手法

在宅中心静脈栄養開始から死亡までの生存期間、患者背景、臨床医学的因子
記述的探索的分析、Kaplan-Meier法生存曲線、Log-rank test

結 果

生存期間:中央値5ヵ月(1-154ヵ月)であった。31%(16名)の患者が1年以上生存。

合併症:カテーテル感染:35%、中心静脈血栓症:8%、気胸:6%、TPNに伴う肝障害:4%。

腫瘍の進行度、転移の診断からTPN開始までの期間、疼痛や呼吸困難感などのがんによる症状の有無、TPN開始後のがん治療開始の有無は、生存期間と関連がなかった。(PSや病態、消化管閉塞との関連については記載なし)。
結 論

在宅中心静脈栄養法は、非常に限られた治癒困難ながん患者において、長期生存との関連を認めることができた。また、合併症の出現率は許される範囲内と考えられた。
しかし、適切な判断を行うためには個々の患者においてきめ細かな臨床的観察が重要であると考えられた。

コメント レトロスペクティブな評価のためバイアスがあり、どのような患者において、在宅中心静脈栄養法が有用かの検討は不十分である。
作成者 池永昌之